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やっぱり大事な基礎と地盤(建築学会の講習から)

近年、小規模建築物の地盤や基礎についてのトラブルが多くみうけられるという報告がありました。このことより、日本建築学会では、以前からあった「小規模建築物建築物基礎設計の手引き」を大幅に改訂し「小規模建築物基礎設計指針」(以下指針という)としました。

2月28日、それについての講習会が仙台にて開催されました。
内容について少し専門的な箇所もありますが、できるだけわかりやすくレポートします。

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最初に、事前調査、地盤調査を最初に取上げている。

特に、事前調査は地質や地形の把握は大事。市街地や分譲地は以前の形状がわからなくなっていることが多いので、古い地形図、地名など重要。隣地に建物があれば、沈下、亀裂、傾きなどの有無を知ることができかなり参考になる。
ファイル 8-2.jpg
《新潟中越沖地震による旧鯖石川流路被害》
《解説:以前、川であった箇所が沈下、液状化の被害があり多くの家屋に傾斜が見られた》

地盤調査については、スウェーデン式サウンディング試験(以下SWSという)が一般的である。必要に応じて土質調査などの補完が必要。
ファイル 8-1.jpg

基礎計画、設計においては、事前調査、地盤調査にもとづき、基礎の選定をする。
建築基準法では、SWSなどににより地耐力を算出して
20kN/㎡以下 基礎くい
20kN/㎡~30kN/㎡ 基礎くい、べた基礎
30kN/㎡超える 布基礎
としている。
ファイル 8-3.jpg
指針では、地形から、土質から、SWSからのフローにより直接、基礎(布基礎、べた基礎)、直接基礎+地盤補強、杭基礎、など選定例をあげている。
(地盤補強:簡易な方法、浅層混合処理工法、深層処理工法、小口径杭などがある。)
ファイル 8-4.jpg

更に、宅地造成地盤や擁壁などにもふれている。住宅の不同沈下事故の原因は、擁壁の埋め戻し土や傾斜地の片盛土などの収縮沈下によるものが49%。軟弱地盤上の盛土造成などの圧密沈下によるよるものが30%。
ファイル 8-5.jpg
 実に、全体の約8割は宅地造成地盤に関する問題である。

「宅地造成等規制法という法律があるのでは」という指摘もあるが、崖崩れ土砂の流出など防災処理を主な目的とするため、小規模建築の沈下・傾斜などに関する技術的基準を示したものではない。

 造成宅地を適切に造成し確実に評価することは、不同沈下事故防止の必須条件となる。

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 「たかが住宅の基礎」という専門家もいますが、構造計算の義務付けのない木造住宅にとって簡単に基礎を選定工せず、事前調査、地盤調査、土質調査等の手順を踏んで慎重に設計するほうがよいと考えます。

2008年03月02日 登録

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