作品一覧

3.11地震以降

2011.3.11に東北地方太平洋沖地震・M9.0という巨大地震が発生しました。
一関市は震度6弱という大きな揺れでした。
さらに一関地方においては2011.4.7に大きな余震が発生して追い打ちをかけるように被害が拡大しました。
ここに、震災に遭われた方にお見舞い申し上げますとともに、津波等でお亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げます。

 私達は、(社)岩手県建築士会一関支部事務局も受け持っているために応急危険度判定・被災住宅相談の対応に追われましたためにホームページ等の更新は全くできませんでした。
現在も、被災された方々への対応が継続中です。
私共の体力が続く限り地域のために貢献する気持ちでおりますので、皆様のご理解をお願いいたします。

2011年10月31日 登録

伝統的木造住宅の構面振動台実験レポート

(独)建築研究所 
2009年2月18日 / 防災科学技術研究所大型振動台施設において

 昔から私たちの住まいとして受け継がれた伝統的木造住宅は大地震に対してどれだけ強いのだろうか。その疑問を確認したいため実験見学に参加した。

試験体は写真のような標準的な形状で、柱は135mm角で足固めがあり土台なし、差し鴨居は120×240垂れ壁は厚さ70mmの土塗り壁。
以前は柱150mm角にて一度実験しているとのこと。

 この試験体に二回の地震動を使用する。一度目は人工地震波(BCJ-レベル2)二回目は兵庫県南部地震での神戸海洋気象台記録波を長て方向に加振した。

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《一回目加振後の状態》

 上の写真は一度目の人工地震波を加振後の状況。
加振しているときには構造体が横に揺れ柱に負荷が加わっているのがよく見えた。
しかしその後傾きは元に戻り土塗り壁が少々ひび割れた程度でした。
この後、被害の状況を係員が細かく調査したところ柱にも目に見えない程度の「ひび」があることが報告された。

 下の写真と最後の拡大写真は二度目の神戸気象台記録波を加振後の状況。

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《二回目加振後の状態》

差し鴨居と柱の仕口(接合部)箇所で「く」の字に折れて元の状態に戻らないくらい損傷している。柱は計6本あったが全て折れていることが確認できた。
垂れ壁のひび割れも多少拡大したがさほどでもない。垂れ壁(差し鴨居も含む)の強さより柱が弱い(細い)と危険であるということがよくわかる。

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《折れた柱と差し鴨居》

 地震被害は震度だけでは比較できないが、今回の実験はだいたい震度6弱程度で横揺れが大きなものであろうと推察する。
 木造住宅耐震診断において、伝統的木造住宅の垂れ壁付きの細い独立柱は、折損しやすいということがいわれていたが、今回の実験でまさにその状況を自分の目で確認することができた。

2009年02月24日 登録

やっぱり大事な基礎と地盤(建築学会の講習から)

近年、小規模建築物の地盤や基礎についてのトラブルが多くみうけられるという報告がありました。このことより、日本建築学会では、以前からあった「小規模建築物建築物基礎設計の手引き」を大幅に改訂し「小規模建築物基礎設計指針」(以下指針という)としました。

2月28日、それについての講習会が仙台にて開催されました。
内容について少し専門的な箇所もありますが、できるだけわかりやすくレポートします。

Report-------------------------------
最初に、事前調査、地盤調査を最初に取上げている。

特に、事前調査は地質や地形の把握は大事。市街地や分譲地は以前の形状がわからなくなっていることが多いので、古い地形図、地名など重要。隣地に建物があれば、沈下、亀裂、傾きなどの有無を知ることができかなり参考になる。
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《新潟中越沖地震による旧鯖石川流路被害》
《解説:以前、川であった箇所が沈下、液状化の被害があり多くの家屋に傾斜が見られた》

地盤調査については、スウェーデン式サウンディング試験(以下SWSという)が一般的である。必要に応じて土質調査などの補完が必要。
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基礎計画、設計においては、事前調査、地盤調査にもとづき、基礎の選定をする。
建築基準法では、SWSなどににより地耐力を算出して
20kN/㎡以下 基礎くい
20kN/㎡~30kN/㎡ 基礎くい、べた基礎
30kN/㎡超える 布基礎
としている。
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指針では、地形から、土質から、SWSからのフローにより直接、基礎(布基礎、べた基礎)、直接基礎+地盤補強、杭基礎、など選定例をあげている。
(地盤補強:簡易な方法、浅層混合処理工法、深層処理工法、小口径杭などがある。)
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更に、宅地造成地盤や擁壁などにもふれている。住宅の不同沈下事故の原因は、擁壁の埋め戻し土や傾斜地の片盛土などの収縮沈下によるものが49%。軟弱地盤上の盛土造成などの圧密沈下によるよるものが30%。
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 実に、全体の約8割は宅地造成地盤に関する問題である。

「宅地造成等規制法という法律があるのでは」という指摘もあるが、崖崩れ土砂の流出など防災処理を主な目的とするため、小規模建築の沈下・傾斜などに関する技術的基準を示したものではない。

 造成宅地を適切に造成し確実に評価することは、不同沈下事故防止の必須条件となる。

--------------------------------------------Report END

 「たかが住宅の基礎」という専門家もいますが、構造計算の義務付けのない木造住宅にとって簡単に基礎を選定工せず、事前調査、地盤調査、土質調査等の手順を踏んで慎重に設計するほうがよいと考えます。

2008年03月02日 登録

岩手県林業技術センターの見学(1)

岩手県林業技術センターの見学に2月5日にいってきました。
今回の一番の目的はこの実験設備の見学でありました。
暖房もないということで防寒対策はバッチリとしていきましたが意外と暖かいように思いました。

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《集成材ラーメンによる構造で立派な実験棟です。》

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《センターの受託実験の概要を東野さんからいただきました。》

見学会の主な目的は木構造の強度試験がどのようにして行なわれているのかというものでした。
いずれ、実験は設計上必要になると考えられ、新しい耐震補強のための耐力壁、仕口。
特殊なデザインのトラス梁、合成梁、ハイブリットな梁など計算と実験で確かめらるということがこれからは重要になるのではないでしょうか。
センターには木造住宅の設計や施工に係る実験施設がいろいろありました。

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《左が曲げ試験装置。右が面内せん断試験装置。》

最初に挙げたいのが面内せん断試験装置。これは耐力壁のせん断試験を行なうもので、簡単にいうと壁倍率の
実験を行なう装置です。
しかしこれから注目したいのは壁倍率のみではなく、耐力壁の粘りや復元力ではないかと思っています。
(面材合板では釘のピッチと種類により決定されるようであるし、伝統的構法の貫ではめり込により粘りを発揮するといわれている。)

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《すでに実験された後の床合板。ビスが破断、あるいは曲げられている。》

しかし、強い耐力壁をもってきても柱と横架材が引き抜かれてはその威力を十分発揮することができません。

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そこで気になるのが接合部引抜き試験装置。
土台と柱、桁と柱など接合部へ引き抜き力を与える実験装置です。
また梁材などの曲げ試験を行なう装置もありました。(前掲の曲げ実験装置の写真)
この装置は柱の座掘試験も行なえるそうです。

2008年02月09日 登録

岩手県林業技術センターの見学(2)

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《集成材の圧縮強度試験材》
集成材に限らず木材は方向により強度が異なります。
柱のように縦に使用するときは繊維方向の強さが大事ですし
梁のように横にして使用するときは繊維に対して直角の強度が
大事になります。


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アカマツの伐採時期により色が異なることを説明した。
10月~3月までが良いということである。
しかし現在では夏の時期伐採でも可能な方法が実験でわかったということである。

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この設備は断熱の実験をする設備で左が0度で右が20度にして熱貫流率を測定するもの。

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《玄関ホールにはペレットストーブが展示》

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《センターの外観》

2008年02月09日 登録

【耐震補強】ねばる面格子を使う

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面格子は告示1100号により壁倍率0.6から1.0までと認定されています。
簡単にいいますと筋交いと同じ耐力をもつものとして認められているという事になります。
面格子の良さは初期の剛性は低いのですが粘り強いことが特徴です。
また格子ですから光をとりいれることと和風の美しさをだすことができるわけです。
伝統的な住宅や和室にしようすると効果的でしょう。

今回は10畳間の1間の障子が建っている箇所を面格子にしてみました。
応用編の面格子ですから技術解説書により耐力を計算により求めました。(日本住宅・木材センター発行)

2007年04月17日 登録

【耐震診断】木造住宅の耐震補強はなぜ必要か

1995年の兵庫県南部地震が引き起こした阪神淡路大震災からすでに12年経過しました。
そのときは住宅の倒壊などによりたくさんの死傷者がでたことはまだ記憶に残っているかたも多いと思います。
それから地震は主なもので下記のように多数発生しています。

2000年10月6日 鳥取県西部地震
2003年5月26日 宮城県沖で地震
2003年7月26日 宮城県北部地震
2003年9月26日 十勝沖地震
2004年10月23日 新潟県中越地震(新潟県中越大震災)
2004年11月29日 釧路沖で地震
2005年3月20日 福岡県西方沖地震
2006年4月21日 伊豆半島東方沖地震
2007年3月25日 能登半島地震

阪神淡路大震災のときの住宅の倒壊は一瞬のうちにしておきたときいております。
地震がおきたらまず火を消して窓を開けて・・・なんて悠長なことは言ってられないそうです。
わずか数十秒のうちに建物は破壊されていくのだそうです。

また被害後も倒壊あるいは半倒壊となった住宅は「危険」と判定され入居することはできません。改修あるいは建て替えるまでおのずと仮設住宅の生活となってしまうのはものすごいストレスとなるのではないでしょうか。

住宅は私たちの大部分の生活をする場所でありますしもっとも大切な建築物ともいえます。
その住宅を耐震性のあるものしておくことは大変に意義のあることだと思います。

阪神淡路大震災以降木造住宅は実験に実験をかさね耐震性はほぼ解明されたといっても過言ではないでしょう。
その成果により耐震診断と補強方法のノウハウができあげって私たちはそれにより診断と補強を行っております。

2007年04月17日 登録

【能登半島地震】被害をうけた建物の特徴

輪島市門前町・輪島市・穴水市・七尾市が震度6強で被害が多くみられます。-全壊379棟・半壊437棟・一部損壊3085棟-
 特徴としては古い(50年くらい経過)構法の木造建物が多く被害を受けています。(土塗壁あるいはその上に板張りをしたものである。)
 その被害の特徴と印象をいつくつか上げたいと思います。

(1)伝統工法に見られる垂れ壁付きの独立柱の折損がありました。
 伝統工法の耐震診断にする場合この垂れ壁付きに独立柱の耐力の算入をするが柱が150×150以下は耐力として認めないこととしています。理由はこの被害のように折損するからです。

(2)道路に面して開放的な店舗併用住宅が傾いているが多いと感じました。
 地震が東西方向に揺れたことによりその方向に弱い(開放的)ところが被害を受けたようです。このように開放的な住宅は店舗に限らず一般住宅に多く見られまた現在の住宅でもみられます。
やはり日本住宅の特徴ともいえます。
しかしその耐震の裏づけをしないまま建築するのは危険(無謀)ともいえるのではないでしょうか。

(3)柱が土台から外れているがみられました。
 柱は屋根や2階の床をささえる重要な構造体です。その柱が地震のとき土台から引き抜かれる現象があることが意外に知られていないことが多いです。
柱は土台に「ほぞ」で接続しますがそのときに金物で引き抜きに対して抵抗することが決められています。
また古い家屋の場合は腐れや白ありのどにより根元がなくなっていることが多いので点検が必要と感じました。今回の被害はまさにこのことが原因でした。

2007年04月17日 登録

【能登半島地震】御見舞い申しあげます

3月25日能登半島地震により亡くなられた方、重軽傷をおわれた方々、住宅の全壊半壊など被災された多くの方々にお見舞い申しあげます。
一日もはやく復興されますことをお祈り申し上げます。

2007年04月17日 登録

伝統的木造軸組構法の実大水平加力実験の見学

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成19年3月14日(水)に財団法人日本住宅・木材技術センター構造耐力実証実験委員会(委員長:大橋好光(武蔵工業大学工学部建築学科教授) )が独立行政法人建築研究所にて伝統的木造軸組構法の実大水平加力実験の公開しましたので見学をしてきました。
この実験は実際の大きさの住宅を横から地震力を想定した力を加え変形、損傷、振動などのデータをとるもので今後、伝統構法の構造解析に役立つものです。
1995年阪神淡路大震災以降。木造住宅の実大実験が数多く行われ現在その成果は建築基準法、木造の構造計算、耐震診断と補強などに生かされ私たちの役にたってきています。
今回の実験に使われた住宅は「大工育成塾」の卒業制作による「伝統的木造軸組構法」で柱4寸、通し柱5寸、貫1寸×3.5寸、接合の金物は使用せず内外壁とも土塗壁の本格的なものであった。
このような住宅は昔から骨太でがっちりしていて粘り強いという評価はあるものの現在の基準法では未解明なことが多いため建設を難しくしているのが現状です。
本実験によって伝統的木造軸組構法の変形、損傷、振動などを解析することによって将来の貴重な資料となるものです。
私たち建築士でさえこのような実験を見る機会はまれでしたので、その価値について理解と興味を持ち合わせている建築士数人でで800km強の往復を日帰りして見学をしてきました。
数値やレポートも大切ですが本実験を自分の目で見て肌で感じ、その感覚を身に付けることも大切だと思いました。

2007年03月30日 登録

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